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「逃げ」が理由の一人暮らしは、楽しめない

私は29歳で初めて一人暮らしを始めたのですが、この年齢になっての一人暮らしを選択したことは、自分にとっては本当に正しかったと思っています。

もともと私は父と二人暮らしでしたが、20歳を過ぎた頃から「家を出たい、一人暮らしがしたい」と時々思っていました。
男親とふたりきりだったので、時々息が詰まるような気持ちになっていたんです。
私と父は当然のことながら考え方も価値観も違うので、衝突してしまうことも多々ありました。

親の何気ない言動にイライラして、八つ当たりしてしまったり。そんな自分に嫌気がさして、ひとり部屋で泣いてしまったり。
そんな日々の繰り返しで、どんどん自分が嫌いになりそうでした。

でもなんだかんだいっても、父は私を何不自由なく育ててくれた大切な存在です。
父が毎日仕事に精を出せるように、私はサポートしなくてはと思い直しました。
朝お弁当を作って父を見送り、私も出勤。夜もなるべく寄り道はせず帰り、夕食を作り、洗濯をしたりお風呂をわかしたり。そんな日々を送りました。
そんなこんなで、私はずっと実家を離れることなく、29歳まで過ごしました。

しかし、とうとう私は「家から逃れたいとかそういう理由ではなく、本当に一人暮らしをしたい」と心から思える日がやってきました。

父に思い切ってその気持ちを打ち明けたとき、父からかけてもらえた
「お前の好きなようにしなさい。好きなことをやれるのは若いうちなんだから」
という言葉。
父の前では泣かなかったけれど、私は部屋で涙が止まりませんでした。
今まで父に反抗ばかりしていたこと、八つ当たりしてしまったことを心から恥じました。

20代前半の頃「もうこんな家イヤ、一人暮らししたい」といつも思っていたけれど、あの時にもし一人暮らしを始めていたら、私はたぶん今のような充実した一人暮らしライフは送れていなかったはずです。
まだ今ほど料理もできなかったし、家事もこなせなかったから。
それに何より、今のように「すべての出来事、すべての人に感謝する」という気持ちを持てていなかったから。

今自分が置かれている状況をまずは受け入れ、新しい光を見出せたら次のステップへ進んでも、きっと大丈夫。
私は今の状況を考えると、心からそう思えるのです。


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